

勝見里奈第一作目の写真集。 一年という時間を、北海道鶴居村に生活しながら撮影したスナップ作品群となっている。 「常にたどり着く前に、その空間を通り抜けた数多の植物や、 風、人々、あるいは名前のつかないものたちがあること。 気づいては消え、口にしては消え、それでもいつかどこかにおいて、 無かったことにはならないものたちと出会いなおす時、 風景は空っぽになり、ばらばらに思えたものはひとつの身体へと帰りゆく。 なにかが在るということも無いということも、変わらずそうあるならば、 何度忘れても大丈夫なのだと今なら言えるだろう。 全てのまわり道に意味があり、全ての物事に意味はない。 家はずっとそこにあったのだ。」